【すずめの戸締まり】宣伝施策まとめ|マクドナルド・日本の戸締まりプロジェクト・海外展開など27の施策一覧
更新日:9月23日
『すずめの戸締まり』は2022年11月11日に公開された新海誠監督の長編アニメーション映画である。国内の興行収入は149.4億円である(日本映画製作者連盟)。
アニメハックの数土直志のコラムによると、2023年5月中旬時点で中国の興収は8.03億元(約157億円)に達し、海外の合計が国内を上回った。
本記事では宣伝施策27件を、時期と種類で6つのグループに分けて整理する。
この記事でわかること
過去作のIMAX上映と先行上映の抽選で、公開前に初期客をつくった流れ
マクドナルド・ローソンと全国の地元企業を使った接点の広げ方
海外での順次公開と、手を加えた版による再上映の重ね方
1. 公開前:過去作と注意喚起
2022年9月30日から、過去3作をIMAXで上映する新海誠IMAX映画祭を開いた。入場者はポストカードで、すずめの先行上映の抽選に応募できた。
地震描写と緊急地震速報の音については、公開前に注意を告知した。小説の新宿駅広告と、冒頭12分の初公開は単独記事で詳しく扱っている。
新海誠IMAX映画祭+IMAX先行上映の抽選
2022年9月30日〜。過去3作を全国41館で上映し、入場者に先行上映の抽選権を配布
地震描写・緊急地震速報音の注意喚起
2022年10月22日。劇中に地震描写と緊急地震速報の音があることを事前に告知
完成披露試写会
2022年10月25日。特設サイトで応募を受け、1,300組2,600名を招待
原作小説の発売告知・発売
2022年8月24日発売(角川文庫)。約1か月で30万部、のち35万部を突破
2. マクドナルド・ローソン
マクドナルドとは、CM・ハッピーセットの絵本・アプリのAR・SNS企画を組み合わせた。公開前のCMから公開後のAR企画まで続いている。
ローソンは公開直前の11月8日からコラボ商品を販売した。アプリのくじでは、原菜乃華が出るイベントに100組200人を招待した。
マクドナルド:神木隆之介CM/監督のビッグマックCM
2022年10月28日〜「大人だってハッピーセット」CM。11月15日から監督出演のCM
マクドナルド:ハッピーセットの絵本『すずめといす』
2022年11月4日〜12月29日。新海誠原作のオリジナル絵本を数量限定で配布
#ダイジンといっしょ AR写真投稿(マクドナルド×au)
2022年11月11日〜2023年1月22日。ビッグマックの箱を読み取るとダイジンが出現
マクドナルド #ビッグマックとすすめ
2022年11月11日の1日限り。フォローとRTでマックカード500円分を100名に
ローソンとのコラボ
2022年11月8日〜。ショートブレッドなど6品。アプリのくじでイベントに招待
3. SNS投稿・舞台挨拶・カフェ
公開直後は半券、年末からは椅子の写真と、観客が投稿する題材を用意した。賞品は舞台挨拶付き上映会やサイン入りグッズである。
新海監督は複数の都市を回る舞台挨拶ツアーを行った。東京と大阪ではコラボカフェを開いている。
来場キャンペーン(半券をSNSに投稿)
2022年11月11日〜14日。半券の写真を投稿すると抽選5組10名を舞台挨拶付き上映会へ
「私の椅子」SNS投稿キャンペーン
2022年12月24日〜2023年1月29日。「#私の椅子」を付けた投稿でネックピローなどが当たる
全国舞台挨拶キャンペーン「行ってきます日本」
2022年11月〜2023年1月。新海監督が複数の都市を回る舞台挨拶ツアー
すずめの戸締まり Limited Cafe(東京・大阪)
2022年12月1日〜新宿、2023年3月23日〜心斎橋。作中のメニューと限定グッズ
4. 日本の戸締まりと地域連携
全国の地元企業が参加する日本の戸締まりプロジェクトでは、各社が自社の商品や社用車で作品を告知した。広告費をかけずに接点を増やせる形である。
公開後は、聖地を探せるWebサイトや、舞台地での上映会・展示が続いた。朝日新聞の全面広告と、八幡浜市・大洲市の椅子の設置は単独記事で紹介している。
2022年11月2日〜。商品に応援シール、社用車にステッカー。JR佐賀駅でサイネージ
2022年11月〜。ビーバーの詰め合わせを販売し、Xでの企画を3回と石川テレビでCM
Webサイト「すずめさんぽ」
2022年12月5日〜。地域や名シーンから景色を検索し、周辺の観光スポットも紹介
気仙沼プレミアム上映会
2023年5月28日。気仙沼市民会館で新海監督の舞台挨拶付き上映
日南市:道の駅なんごうに後ろ戸と椅子を設置
2023年3月。県建築士会日南支部と日南高校美術部が制作し、聖地巡礼と観光PRに
5. 海外:映画祭からアジア・欧米へ
2023年2月にベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品した。日本のアニメでは『千と千尋の神隠し』以来のメインコンペ選出である。
3月からアジア、4月から欧米で順次公開した。2023年5月15日時点で、海外合計は約237億円と国内を上回った。
地域 | 興行収入 | 時点・出典 |
|---|---|---|
国内 | 149.4億円 | 日本映画製作者連盟 |
国内 | 146.6億円 | 2023-05-15時点 |
中国 | 8.03億元(約157億円) | 2023-05-15時点 |
北米 | 1,049万ドル(約14億円) | 2023-05-15時点 |
海外合計 | 約237億円 | 2023-05-15時点 |
ベルリン国際映画祭コンペ部門に出品
2023年2月16日〜26日(出品は1月23日発表)。監督の作家性が強調された
アジアで順次公開(韓国に監督・声優が訪問)
2023年3月〜台湾・韓国・中国。3月17日時点で9か国のデイリー1位
韓国で日本映画の最多動員を記録
2023年3月8日公開〜。公開52日で500万人を突破し、累計551万4,465人
中国での記録的ヒット
2023年3月24日〜。5月15日時点で8.03億元と、中国での日本映画の歴代最高
欧米で公開(北米はCrunchyroll)
2023年4月12日〜14日。仏・英・豪・米・加で公開し、北米興収は1,049万ドル
6. 展覧会・再上映・地上波
国内では、制作資料の展覧会を松屋銀座から全国に巡回させた。再上映は、手を加えた版を用意して2回行っている。
BD/DVD用に273カットをリテイクした版と、ラストに未使用音声を足した特別版である。2024年4月には地上波で初放送した。
「すずめの戸締まり」展(全国巡回)
2023年4月19日〜松屋銀座、のち札幌・大阪などへ。作画・絵コンテ・美術背景を展示
最後の戸締まり上映(ブラッシュアップ版)
2023年5月12日〜27日。273カットをリテイクした版。監督が7劇場で舞台挨拶
BD/DVD発売記念「おかえり上映」
2023年9月20日〜10月5日、全国100館。未使用音声「ただいま」を加えた特別版
金曜ロードショーで地上波初放送
2024年4月5日。日本テレビで本編ノーカット、枠を30分拡大
まとめ
公開前は過去作と注意喚起、公開前後は企業コラボとSNS、2023年は海外公開と再上映と、時期ごとに施策の軸が移っている。
日本の戸締まりプロジェクトは、全国を旅する物語と地域企業の宣伝を重ねた。各社が自社の商品や社用車で告知し、接点を広げている。
再上映では映像や音声に手を入れた。何か新しい要素を足すと、一度観た人がもう一度劇場に来る理由になる。
出典
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