【2026年版】数字で見るアニメ産業|市場規模・海外比率・分野別の推移
更新日:13 時間前
日本動画協会の「アニメ産業レポート2025」によると、2024年のアニメ産業市場は3兆8,407億円だった。前年比114.8%で、過去最高を更新した。
海外市場は2兆1,702億円で全体の56.5%を占め、国内市場の1兆6,705億円を4,997億円上回った。国内では商品化が7,488億円で最も大きい。
本記事では9分野の2019〜2024年の推移を整理する。制作会社の売上を集計した狭義の市場(2024年4,662億円)との違いもまとめる。
この記事でわかること
2024年の市場規模と、海外が56.5%を占める内訳
TV・映画・配信・商品化など9分野の6年間の推移
広義の「産業市場」と狭義の「業界市場」の違い
この記事で使うデータ
出典は一般社団法人日本動画協会(AJA)の「アニメ産業レポート2025」である。本書は2025年12月18日に発行され、要点をまとめたサマリー版が2026年2月に公開された。
対象は2024年(1〜12月)の市場で、2026年9月時点ではこれが最新の年次値である。
同協会は刊行に先立ち、2025年10月30日に2024年の速報値を発表している。速報値と本書の主要な値(3兆8,407億円など)は同じである。
以下の数値はすべて同レポートのサマリー版から引用した。市場規模は公知の統計と同協会のアンケートをもとにした独自の推計値である。
アニメ産業市場(広義):ユーザーが支払ったアニメ関連の金額を推定した消費者市場。本記事の中心となる数字である。
アニメ業界市場(狭義):アニメに「制作」と表記される企業の売上を集計したもの。制作会社側から見た市場で、広義とは足し算できない。
他の調査:経済産業省のコンテンツ市場統計などとは定義が違うため、本記事では数値を混ぜて比較しない。
2024年の全体像:海外が56.5%
2024年のアニメ産業市場は3兆8,407億円で、前年から4,942億円増えた。前年比114.8%は、過去最高だった2019年(115.3%)に次ぐ伸び率である。
サマリー版は、この規模を10年前(2015年)の2.1倍、同レポートで最も古い2002年の3.5倍としている。
海外市場は2兆1,702億円(前年比126.0%)、国内市場は1兆6,705億円(前年比102.8%)だった。
海外が国内を上回るのは、2023年に続いて2年連続である。差は979億円から4,997億円に広がった。
サマリー版は背景として、2020年のコロナ禍以降にNetflix、Disney+、Crunchyrollなどの配信で日本のアニメの海外展開が進んだことを挙げている。
区分 | 2024年 | 前年比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
アニメ産業市場(広義・合計) | 3兆8,407億円 | 114.8% | 100% |
海外市場 | 2兆1,702億円 | 126.0% | 56.5% |
国内市場 | 1兆6,705億円 | 102.8% | 43.5% |
(参考)アニメ業界市場(狭義) | 4,662億円 | 109.1% | ―(定義が別) |
分野別の推移(2019〜2024年)
広義の市場は9分野に分かれている。下の表は2019年から2024年までの6年分で、単位は億円、前年比は2024年の対2023年比である。
国内の最大分野は商品化で、2024年は7,488億円と国内市場の44.8%を占めた。
映像分野では配信が2,655億円(国内市場の15.9%)である。TV(982億円)・映画(690億円)・ビデオ(384億円)の合計2,056億円を上回っている。
ライブエンタテインメントは2020年に290億円まで落ち込んだ。2024年は1,225億円と、2019年(844億円)を大きく超えた。
一方、遊興は3,015億円で前年比89.5%と減少した。
2019〜2021年(億円)
分野 | 2019 | 2020 | 2021 |
|---|---|---|---|
TV | 948 | 840 | 906 |
映画 | 692 | 554 | 602 |
ビデオ | 563 | 466 | 662 |
配信 | 685 | 930 | 1,543 |
商品化 | 5,868 | 5,819 | 6,631 |
音楽 | 337 | 276 | 317 |
海外 | 12,009 | 12,394 | 13,134 |
遊興 | 3,199 | 2,630 | 3,056 |
ライブ | 844 | 290 | 571 |
合計 | 25,145 | 24,199 | 27,422 |
うち国内(合計−海外) | 13,136 | 11,805 | 14,288 |
2022〜2024年(億円)
分野 | 2022 | 2023 | 2024(前年比) |
|---|---|---|---|
TV | 943 | 973 | 982(100.9%) |
映画 | 785 | 681 | 690(101.3%) |
ビデオ | 385 | 362 | 384(106.1%) |
配信 | 1,652 | 2,501 | 2,655(106.2%) |
商品化 | 6,693 | 7,008 | 7,488(106.8%) |
音楽 | 274 | 267 | 266(99.6%) |
海外 | 14,592 | 17,222 | 21,702(126.0%) |
遊興 | 2,981 | 3,370 | 3,015(89.5%) |
ライブ | 972 | 1,081 | 1,225(113.3%) |
合計 | 29,277 | 33,465 | 38,407(114.8%) |
うち国内(合計−海外) | 14,685 | 16,243 | 16,705(102.8%) |
5年で何が変わったか
2019年と2024年を比べると、市場全体は約1.53倍になった(当サイトによる計算)。
伸びが大きいのは配信(約3.9倍)、海外(約1.8倍)、ライブ(約1.45倍)、商品化(約1.28倍)である。
反対に、ビデオは563億円から384億円へ、音楽は337億円から266億円へ縮んだ。TVと映画はほぼ横ばいである。
映画は2022年の785億円から2023年の681億円に下がるなど、年による上下がある。個別作品の興収は次の記事にまとめている。
【2026年版】アニメ映画の興行収入ランキング|年別トップ作品と歴代記録
2022〜2025年の年別トップ作品と、歴代上位の興収
海外向けの施策
市場の半分以上が海外にある。当サイトでは次のような海外展開の事例を記録している。
【鬼滅の刃 無限城編】北米で1億ドル超、Crunchyroll CEOの施策【関係者インタビュー】
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【チェンソーマン レゼ篇】北米公開は1カ月後、MAPPA社長の戦略【関係者インタビュー】
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商品化・ライブ
国内で伸びている分野は、コラボカフェ・ポップアップ、飲食・小売コラボ、イベント・展示の各カテゴリの事例と重なる。
【コラボカフェ・ポップアップ】事例まとめ|BOX cafe&space・ufotableなど24件の設計一覧
コラボカフェ・ポップアップ24件の設計を一覧にしたまとめ
配信
配信事業者の公表値は次の記事で整理している。
【2026年版】アニメ配信の市場データ|Netflix・Crunchyroll・ABEMA・dアニメの公表値
Netflix・Crunchyroll・ABEMA・dアニメストアの公表値
制作会社側の市場(狭義)
アニメ業界市場(狭義)は、アニメ制作会社の売上を10分野に分けて集計したものである。2024年は4,662億円(前年比109.1%)で、3年連続で過去最高を更新した。
ただしサマリー版は、コロナ禍以降に加速していた成長率は鈍化したとしている。
2024年の内訳の上位は、海外1,188億円、商品化1,027億円、TV1,020億円である。
国内分を見ると、映像の制作・展開による売上と、権利の派生的な運用による売上は、どちらも1,737億円で同額だった。
サマリー版は制作会社の自由回答も紹介している。事業環境の悪化要因として「制作費高騰」(18件)、「人件費高騰」(17件)、「人材不足」(10件)が多く挙がった。
国内分の区分 | 含まれる分野 | 2024年 |
|---|---|---|
映像の制作・展開 | TV・映画・ビデオ・配信 | 1,737億円 |
権利の派生的な運用 | 商品化・音楽・遊興・ライブ・その他 | 1,737億円 |
まとめ
2024年の増加額4,942億円の大半は海外市場が生んだ。海外は2019年の1兆2,009億円から約1.8倍になり、国内向けの宣伝計画だけでは市場の半分以上を見ないことになる。
国内で最も大きいのは映像ではなく商品化の7,488億円である。コラボや物販は宣伝費の回収手段ではなく、市場の中心にあると考えて予算を組むとよい。
配信は2019年の685億円から約3.9倍に伸び、TV・映画・ビデオの合計を上回った。放送と配信の順番や無料開放の設計が、映像収入を左右する段階に入っている。
出典
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