【KING OF PRISM】応援上映の10年、「1000人が10回」から地方劇場の場づくりまで【関係者インタビュー】
更新日:5 時間前
声援やサイリウムで観客が参加する「応援上映」を広めた作品の1つが『KING OF PRISM』である。2016年の第1作から10年がたった。
本記事は、2016年の制作プロデューサーへの取材、2026年のエイベックスの10周年インタビュー、2025年の劇場取材の3本をもとに、応援上映の10年をたどる。
この記事でわかること
初動で苦戦した第1作が、応援上映と口コミで広がった経緯
観客が参加する余白を、最初から作品に組み込む設計
地方の映画館が撮影スポットや誕生日上映でつくる「場」
初動の苦戦から口コミで反転
劇場版『KING OF PRISM by PrettyRhythm』は2016年1月9日に公開された。2013年のTVアニメのスピンオフで、大人の女性を主な対象にしている。
エイベックス・ピクチャーズの西浩子プロデューサーは、ASCII.jpの取材で、公開から2週間ほどは席が埋まらなかったと振り返った。
同氏は企画の段階で、社長に「1000人が10回観たくなる作品です」と訴えたという。期待を裏切れない1,700人のファンを思い描いて作った、とも語っている。
流れを変えたのは、声援やコール、サイリウム、コスプレを認めた応援上映である。体験した人の口コミが、ブレイクの呼び水になった。
作品・時点 | 興収 | 上映館 |
|---|---|---|
第1作(2016年3月時点) | 3億円突破 | 延べ60館以上 |
Dramatic PRISM.1(約3か月) | 4億円突破 | 初動30〜50館 |
ファン発のハッシュタグ
西氏によると、効いたのは公式の「#キンプリへようこそ」より、ファンが自ら使った「#キンプリを見てください」だった。
スポンサーのない厳しい状況がファンに伝わり、「プリズムエリート」と呼ばれる熱心なファンが自分たちで広めようと団結したという。
記事によると、第1作は2016年3月時点で興収3億円を突破した。公開2か月後の10日間で1億5,000万円を上乗せし、上映館は延べ60館以上に広がった。
ポイント:公式のハッシュタグより、ファンが自分の言葉で作ったタグのほうが広がった。公式は後押し役に回った。
参加の余白を最初から設計
10周年のインタビューで、エイベックス・アニメーションレーベルズの磯輪のぞみプロデューサーは、作品はもともと応援上映を前提に作られていると語った。
例が「プリズム☆アフレコ」で、画面に出る字幕をファンが読むと作中のキャラクターと会話が成立する。初めての人も応援上映に入りやすくなる仕掛けだ。
宣伝プロデューサーの佐々木千聖氏は、オリジナル作品は完成形が読みにくいため、制作と並行して宣伝を組むと話す。公開後もファンの反応を見て打ち出し方を変えるという。
2025年の上映では、初日から都内を中心に満席が相次いだ。観たくても観にくい状況になり、急きょ上映館を増やしてもらったという。
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観客参加を作品に組み込み、少ない館数で伸ばした例
地方の劇場がつくる「場」
Brancは2025年2月、2024年8月16日公開の『Dramatic PRISM.1』を支えた劇場を取材した。同作は初動30〜50館から約3か月で興収4億円を突破した。
kino cinéma天神は、手作りの飾りで撮影スポットを作り、感想を書けるメッセージボードを置いた。太鼓やタンバリンも貸し出している。
キャラクターの誕生日に合わせた上映では、ロビーにファンから届いたフラワースタンドを飾った。
静岡のシネシティザートは、キャラクター(ミナト)の出身地として劇場を聖地にし、応援グッズの貸し出しや声優の舞台挨拶を行った。サツゲキや塚口サンサン劇場などは過去作を再上映した。
応援上映では、観客のペンライトが花火や蛍の場面の色を担う。記事は、地方の劇場がファン活動の拠点となり、全国からの遠征を生んだとまとめている。
まとめ
応援上映は、劇場が許可を出すだけでは根づかない。字幕を読んで会話する仕掛けのように、観客の役割を作品の中に用意しておくと、初めての人も参加しやすい。
少ない館数で始まる作品ほど、劇場ごとの装飾や誕生日上映が遠征の理由になる。公式はファン発の口コミを後押しし、反応に合わせて館を増やす構えを持っておきたい。
出典
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