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【カンヌ2026】ソニーとCrunchyrollの統合効果、東映・TRIGGER・CWFの海外戦略【登壇レポート】

6月15日
読了時間: 4分

更新日:7 時間前


2026年5月のカンヌ国際映画祭で、日本アニメをテーマにした複数のセッションが開かれた。業界メディアGEM Standardが2026年6月に内容を伝えている。


ソニー・ピクチャーズとCrunchyrollは、配信と劇場をつなぐ勝ち筋を語った。東映アニメーション・TRIGGER・コミックス・ウェーブ・フィルムは、海外との向き合い方を示した。


この記事でわかること

  • ソニーとCrunchyrollが語った統合の効果と、劇場公開の判断基準

  • 東映アニメーションが進める「地域文化に根ざした」海外共同製作

  • TRIGGERとコミックス・ウェーブ・フィルムが守るオリジナルと作家性


統合効果は「1+1=2.5〜3」


ソニー・ピクチャーズ映画部門プレジデントのサンフォード・パニッチ氏は、『鬼滅の刃 無限城編 第一章』の成功を業界への警鐘だと表現した。同作の世界興収は記事で1,179億円とされる。


同氏は成功の理由に、アニプレックス・ufotable・Crunchyroll・ソニー・ピクチャーズの4社が完全に同期して世界に出したことを挙げた。


統合の効果については、Crunchyrollのアニメの知見と、ソニーの約50拠点の配給網が合わさると説明した。その効果を「1+1=2.5〜3」と表している。


劇場に出す作品の基準として、尖ったオリジナルは劇場へ、中庸な作品は配信サービスへという考え方を示した。アニメファンの中心は18〜35歳だとも述べた。



配信で育て、劇場で動かす


Crunchyrollのミッチェル・バーガー副社長(EVP)は、アニメはジャンルではなくメディアだと定義した。世界でアニメに関心を持つ人は10億人規模になるとみている。


同氏が示した勝ち筋は、7〜8年かけて配信でファンの基盤を築き、それを劇場で一気に動かすことである。


同社の有料会員は2021年の500万人から、2026年には2,100万人に増えた。13〜54歳のエンタメ消費者のうち、アニメファンは2025年時点で44%だという。


項目

数字

Crunchyroll有料会員(2021年)

500万人

Crunchyroll有料会員(2026年)

2,100万人

13〜54歳のうちアニメファン

44%(2025年)

世界のアニメ関心層

10億人規模



東映は地域文化に根ざす


東映アニメーションでグローバル戦略を担う浅間陽介氏は、「東洋のディズニー」から「世界共通言語としてのアニメ」へ軸を移していると語った。


プロデューサーの池澤良幸氏は、地域文化に根ざした物語をつくる方針を示した。聞くこと、共に作ること、地域の文化を尊重することが大切だという。


例に挙げたのは、フランスのZagとの『ミラキュラス』(2015年〜)と、サウジアラビアのマンガプロダクションズとの『アサティール』(2020年〜)である。


北米文化に根ざした家族向けの新作『Monkey Quest』も進めている。既存事業の置き換えではなく拡張だと位置づけ、6月のアヌシー映画祭で制作中作品の枠に選ばれた。



オリジナルと作家性を守る


TRIGGERの大塚雅彦社長は、オリジナルアニメのDNAを絶やしてはいけないと語った。CD Projekt REDと組んだ『サイバーパンク エッジランナーズ』を成果に挙げている。


同氏は、アニメには文化を超える力があり、世界の平和にもつながるという考えを示した。


コミックス・ウェーブ・フィルムの徳永智広社長は、同社を新海誠監督がいてできた「作家ありき」のスタジオだと説明した。


監督に求めることとして、物語のためにすべてをさらけ出すこと、日本語で作ること、制作スタッフへの敬意の3つを挙げた。語りたいことと語るべきことの釣り合いも大切だという。



  • ポイント:大手は配給と配信の網で広げ、制作会社はオリジナルや作家性で差をつける。役割の違いがはっきり出た。


まとめ


海外で劇場公開を狙うなら、その前に配信でファンの基盤を育てておくことが前提になる。パニッチ氏の基準では、劇場に向くのは尖った作品であり、作品の性格で出口を分ける考え方が参考になる。


現地の会社と組む共同製作では、東映のように「その地域の物語」から始める道がある。強みが作家性にある会社は、海外と組みつつ作り手の軸を守る線引きが要る。


出典



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