【カンヌ2026】ソニーとCrunchyrollの統合効果、東映・TRIGGER・CWFの海外戦略【登壇レポート】
更新日:7 時間前
2026年5月のカンヌ国際映画祭で、日本アニメをテーマにした複数のセッションが開かれた。業界メディアGEM Standardが2026年6月に内容を伝えている。
ソニー・ピクチャーズとCrunchyrollは、配信と劇場をつなぐ勝ち筋を語った。東映アニメーション・TRIGGER・コミックス・ウェーブ・フィルムは、海外との向き合い方を示した。
この記事でわかること
ソニーとCrunchyrollが語った統合の効果と、劇場公開の判断基準
東映アニメーションが進める「地域文化に根ざした」海外共同製作
TRIGGERとコミックス・ウェーブ・フィルムが守るオリジナルと作家性
統合効果は「1+1=2.5〜3」
ソニー・ピクチャーズ映画部門プレジデントのサンフォード・パニッチ氏は、『鬼滅の刃 無限城編 第一章』の成功を業界への警鐘だと表現した。同作の世界興収は記事で1,179億円とされる。
同氏は成功の理由に、アニプレックス・ufotable・Crunchyroll・ソニー・ピクチャーズの4社が完全に同期して世界に出したことを挙げた。
統合の効果については、Crunchyrollのアニメの知見と、ソニーの約50拠点の配給網が合わさると説明した。その効果を「1+1=2.5〜3」と表している。
劇場に出す作品の基準として、尖ったオリジナルは劇場へ、中庸な作品は配信サービスへという考え方を示した。アニメファンの中心は18〜35歳だとも述べた。
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配信で育て、劇場で動かす
Crunchyrollのミッチェル・バーガー副社長(EVP)は、アニメはジャンルではなくメディアだと定義した。世界でアニメに関心を持つ人は10億人規模になるとみている。
同氏が示した勝ち筋は、7〜8年かけて配信でファンの基盤を築き、それを劇場で一気に動かすことである。
同社の有料会員は2021年の500万人から、2026年には2,100万人に増えた。13〜54歳のエンタメ消費者のうち、アニメファンは2025年時点で44%だという。
項目 | 数字 |
|---|---|
Crunchyroll有料会員(2021年) | 500万人 |
Crunchyroll有料会員(2026年) | 2,100万人 |
13〜54歳のうちアニメファン | 44%(2025年) |
世界のアニメ関心層 | 10億人規模 |
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東映は地域文化に根ざす
東映アニメーションでグローバル戦略を担う浅間陽介氏は、「東洋のディズニー」から「世界共通言語としてのアニメ」へ軸を移していると語った。
プロデューサーの池澤良幸氏は、地域文化に根ざした物語をつくる方針を示した。聞くこと、共に作ること、地域の文化を尊重することが大切だという。
例に挙げたのは、フランスのZagとの『ミラキュラス』(2015年〜)と、サウジアラビアのマンガプロダクションズとの『アサティール』(2020年〜)である。
北米文化に根ざした家族向けの新作『Monkey Quest』も進めている。既存事業の置き換えではなく拡張だと位置づけ、6月のアヌシー映画祭で制作中作品の枠に選ばれた。
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オリジナルと作家性を守る
TRIGGERの大塚雅彦社長は、オリジナルアニメのDNAを絶やしてはいけないと語った。CD Projekt REDと組んだ『サイバーパンク エッジランナーズ』を成果に挙げている。
同氏は、アニメには文化を超える力があり、世界の平和にもつながるという考えを示した。
コミックス・ウェーブ・フィルムの徳永智広社長は、同社を新海誠監督がいてできた「作家ありき」のスタジオだと説明した。
監督に求めることとして、物語のためにすべてをさらけ出すこと、日本語で作ること、制作スタッフへの敬意の3つを挙げた。語りたいことと語るべきことの釣り合いも大切だという。
ポイント:大手は配給と配信の網で広げ、制作会社はオリジナルや作家性で差をつける。役割の違いがはっきり出た。
まとめ
海外で劇場公開を狙うなら、その前に配信でファンの基盤を育てておくことが前提になる。パニッチ氏の基準では、劇場に向くのは尖った作品であり、作品の性格で出口を分ける考え方が参考になる。
現地の会社と組む共同製作では、東映のように「その地域の物語」から始める道がある。強みが作家性にある会社は、海外と組みつつ作り手の軸を守る線引きが要る。
出典
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