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【鬼滅の刃・チェンソーマン】北米2作で1.68億ドル、劇場独占と「本筋の続き」が効いた【海外事例】

2025年11月15日
読了時間: 4分

更新日:9月23日


2025年秋、北米の映画館でアニメ映画2作が大きな数字を残した。『鬼滅の刃 無限城編』と『チェンソーマン レゼ篇』である。


米国の映画業界メディアTheWrapは2025年11月、2作が伸びた理由を分析した。軸は「配信までの期間の示し方」と「映画の中身の種類」の2つである。


この記事でわかること

  • 2作の北米興収と、秋の興行全体に占めた割合

  • 配信を翌年まで遅らせ「劇場だけ」と告げた打ち出し方

  • 総集編・別の話・本筋の続きで興収に差が出る理由


2作で秋の興行の約6分の1


TheWrapによると、2作の北米興収は合計1.68億ドル(約264億円)である。2か月間の北米興行全体(約10億ドル(約1,572億円))の約6分の1にあたる。


『無限城編』の世界興収は6.67億ドル(約1,048億円)に達し、アニメ映画として世界1位になった。記事は、同年の『スーパーマン』も上回ったと伝えている。


『レゼ篇』はハロウィン前の週末に1,720万ドル(約27億円)で初登場1位となった。同社配給で北米1,500万ドル(約23.6億円)を超えたのは、それまで『鬼滅』と『ドラゴンボール超』だけだった。


作品

北米の数字

公開

鬼滅の刃 無限城編

初日 3,300万ドル(約51.9億円)

2025年

チェンソーマン レゼ篇

初週末 1,720万ドル(約27億円)

2025年

ドラゴンボール超 スーパーヒーロー

累計 3,210万ドル(約50.5億円)

2022年

鬼滅の刃 柱稽古へ(総集編)

累計 1,760万ドル(約27.7億円)

2024年2月

SPY×FAMILY CODE: White

累計 810万ドル(約12.7億円)

2024年4月


「2025年は劇場だけ」と告知


1つ目の勝因は、配信までの期間を先に示したことである。Crunchyrollは『無限城編』の配信を2026年まで行わないと公表していた。


同社でグローバルコマースを担当するミッチェル・バーガー副社長(EVP)は、観客に劇場での鑑賞を呼びかけた。「2025年に観られるのは劇場だけ」という趣旨である。


記事は、これが「見逃せない」という感覚を生んだとみる。ディズニー作品は配信までの約100日を事前に告知しないことが多く、打ち出し方が対照的だという。


ソニー・ピクチャーズのトム・ロスマン会長も、劇場の独占期間を守ると業界の見本市で約束していた。同社の実写作品も90日間は劇場独占だった。


  • ポイント:配信日を伏せるのではなく「年内は劇場のみ」と明言すると、劇場へ行く理由がはっきり伝わる。


総集編と新章で差が出る


2つ目の勝因は、映画の中身である。記事はアニメ映画を「総集編」「本筋と別のオリジナル」「本筋の続き」の3種類に分けて比べている。


総集編は伸びにくい。2024年2月の『柱稽古へ』は第3期の総集編に最終話と第4期第1話を加えた構成で、北米累計は『無限城編』の初日の半分に届かなかった。


本筋と別の話も苦戦しやすい。『SPY×FAMILY CODE: White』は人気シリーズでも、ファンに必見と受け止められず、北米は810万ドル(約12.7億円)にとどまった。


『無限城編』と『レゼ篇』は、テレビで追ってきた物語の続きである。観なければ話が先に進まないことが、動員の強さにつながったと記事は分析している。




アナリストの見立てと今後


調査会社コムスコアのアナリスト、ポール・ダーガラベディアン氏は、アニメはもう劇場の「代替コンテンツ」ではないと語った。拡大する劇場市場の一部だという見方である。


記事は同じ物差しで今後の作品も占っている。12月公開の『呪術廻戦』の再編集版は伸びが限られるとし、本筋を進める『ハイキュー!!』『銀魂』の劇場版に期待を示した。


西洋での近い例として、配信ドラマの続きを劇場で描く『マンダロリアン・アンド・グローグー』(2026年予定)も挙げている。


まとめ


劇場版の宣伝では、まず作品が「総集編」「別の話」「本筋の続き」のどれにあたるかを見極めたい。本筋の続きなら、配信時期を遅らせて劇場だけの期間を明言する打ち方が効く。


総集編や別の話は、同じ打ち方では伸びにくい。上映規模や特典、配信との組み合わせを変えて、期待値に合った計画を組む必要がある。


※円換算は1米ドル=157.18円(欧州中央銀行の参照レート、2026年9月22日)で計算した概算(現地通貨の金額×レート)。


出典



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