【マッシュル】BBBBダンスは狙っていなかった、OP演出・榎戸駿氏が語る制作の裏側【関係者インタビュー】
更新日:5 時間前
『マッシュル-MASHLE-』第2期のOP映像は、サビで主人公が踊る「BBBBダンス」で知られる。絵コンテ・演出を担当したのはアニメーターの榎戸駿氏である。
同氏は2024年3月末から4月1日にかけて、アニメ誌Febriの連載インタビューで制作の経緯を語った。
ダンスはバズを狙ったものではなかったと、榎戸氏は説明している。本記事は、その判断の過程を要約する。
この記事でわかること
OPの依頼の経緯と、楽曲を聴いたときの第一印象
サビがアクションからダンスに変わった理由
「バズ狙い」と言われたことへの榎戸氏の受け止め
普通のOPでは合わない曲
榎戸氏によれば、依頼はアニプレックスのプロデューサーから来た。2人は以前、『Fate/Grand Order』のCMで組んでいた。
スケジュールは厳しかったが、Creepy Nutsの曲で作れることが引き受けた大きな理由だったという。
曲「Bling-Bang-Bang-Born」を初めて聴いたとき、同氏は挑まれているように感じたと語る。普通のOPを作ってはいけないと理解したという。
自分が曲から受けた意外な手で来たという驚きを、視聴者にも感じてほしかった。榎戸氏はそう説明している。
黄と黒の画面の理由
OPは黄色の単色の背景に黒い線画という画面で作られた。榎戸氏は、1つの案を採るのに4〜5個の理由をそろえると話している。
理由の1つはスケジュールである。細かい背景を省けば作業量を減らせる。
ほかに、単色で漫画らしさを出すこと、黒との対比で黄色が最も映えることを挙げた。英国の紅茶の箱の配色や、原作単行本の表紙の色との相性も考えたという。
線には入り抜き(線の始まりと終わりの細り)の処理を施した。第1期から注目していた処理で、撮影監督の鈴木彬人氏が参考に合わせてくれたという。
画面にはザラついた質感も加えた。曲の軋むようなアナログな音と合わせるためだと説明している。
サビはアクションからダンスへ
当初の注文は、サビをアクションで盛り上げることだった。しかし榎戸氏は、この曲のリズムでアクションを見せても素直に格好よくはなりにくいと判断した。
絵コンテを描き始めて、最初に自然と固まったのがダンスの部分だったという。ダンス場面の原画は和田慎平氏が担当した。
ダンスはTikTokで広く真似された。しかし、制作の入り口にあったのは曲への解釈であり、流行させるための振付の注文ではなかった。
【チェンソーマン】全12話で毎話違うED、Vaundy・ano・Aimerら12組とMAPPA単独出資の座組
主題歌と映像を話題づくりの軸にした例。毎話EDを変えた座組を解説
バズは狙えたのか
放送後、ネット上ではバズ狙いのマーケティングだという声が出た。榎戸氏は反響を意外といえば意外と受け止め、ダンスは意図していなかった部分だと答えている。
そのうえで同氏は「狙ってやったらダメだったんじゃないか」と述べた。直感から出た案だからこそ、突拍子もない感じが生まれたとみている。
厳しい日程が大胆な案を後押しした面もあったという。同氏は、それが視聴者に好意的に受け止められたことを一番うれしい点に挙げた。
反響については運の要素が大きいとしつつ、業界の仲間から褒められて、やってよかったと感じたと語っている。
ポイント:ダンスは宣伝の注文ではなく、曲に合う映像を探した演出判断から生まれた。当初の注文はアクションだった。
まとめ
ダンスの流行は、最初から設計したものとは限らない。この例では、曲に合う表現を突き詰めた演出判断が起点になった。
宣伝担当は、制作段階でバズる振付を注文するより、完成後の広げ方を準備するほうが現実的である。
演出側の意図を早めに聞き取り、ショート動画に切り出せる部分を見つけておくとよい。短い日程で出た大胆な案を、宣伝の都合で丸めない判断も要る。
出典
関連記事
▼アニメマーケティングのご相談





