【東映アニメーション】純利益250億円で過去最高、ヒットの反動を海外版権で吸収【決算・IR】
更新日:7 時間前
東映アニメーションの2026年3月期決算は、売上高が936億6,900万円で前期比7.1%の減収だった。一方、純利益は250億7,000万円で過去最高を更新した。
前期に好調だった映画の配信権やゲーム化権の反動を、利益率の高い海外の商品化権販売が埋めた。Brancの分析と同社の決算補足資料から中身を見る。
この記事でわかること
減収でも純利益が過去最高になった理由
国内版権と海外版権で分かれた明暗
2027年3月期の予想と約150億円の戦略投資
減収でも最高益の決算
2026年3月期の営業利益は310億1,800万円で、前期比4.4%減だった。経常利益は334億6,200万円で0.8%増えている。
純利益は250億7,000万円で、前期比6.1%増の過去最高である。Brancによると、海外売上の比率は63%に上がった。
売上総利益は484億2,200万円から492億300万円に増えた。売上総利益率も48.0%から52.5%へ上がっている。
反動減が出た映像事業
減収の主な原因は、前期に好調だった作品の反動である。映像製作・販売事業の売上高は311億5,100万円で、16.5%減った。
決算補足資料によると、国内では「スラムダンク」「ゲゲゲの鬼太郎」の配信権販売が前期ほど伸びなかった。
海外映像も「ドラゴンボール」シリーズの配信権・ビデオ化権販売の反動が出た。売上高は233億2,400万円で、10.4%減っている。
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海外版権が利益を支えた
版権事業の売上高は489億500万円で3.3%減ったが、セグメント利益は267億2,000万円で3.1%増えた。減収増益である。
内訳を見ると、国内版権は174億1,400万円から146億8,500万円に減った。「ワンピース」の周年施策や「ドラゴンボール」新作関連の反動が出ている。
海外版権は331億6,700万円から342億2,000万円に増えた。「ワンピース」の商品化権販売や「デジモン」の新作家庭用ゲームが好調だった。
区分 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
映像製作・販売 売上高 | 373億2,300万円 | 311億5,100万円 |
うち海外映像 | 260億2,600万円 | 233億2,400万円 |
国内版権 売上高 | 174億1,400万円 | 146億8,500万円 |
海外版権 売上高 | 331億6,700万円 | 342億2,000万円 |
版権事業 セグメント利益 | 259億2,400万円 | 267億2,000万円 |
ポイント:海外の商品化権販売は収益性が高い。映像の反動減を、版権事業の利益で埋める構造になっている。
商品販売と催事は堅調
商品販売事業は売上高79億2,300万円で14.0%減った。「スラムダンク」の反動が出たが、「プリキュア」シリーズなどのショップ事業が好調で、利益は12.3%増えている。
その他事業は売上高63億2,500万円で46.6%増えた。「プリキュア」シリーズ、「ガールズバンドクライ」、「ゲゲゲの鬼太郎」の催事が好調だった。
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2027年3月期は減益予想
同社は2027年3月期の売上高を1,000億円と予想する。主力作品の新作映像などで、過去最高の水準に迫る売上を目指す。
一方で、純利益は181億円と27.8%の減益を見込む。新作映像の製作原価に加え、約150億円の戦略投資を行うためである。
戦略投資には、ベトナムの新スタジオ設立準備、ドバイ拠点の設立、北米でのマーケティング施策、海外ストアの展開などが並ぶ。
海外映像については、大型契約の更新をめぐる不透明さを理由に、大幅な減収を見込んでいる。
まとめ
ヒット作の翌年は、配信権や商品の反動減が出やすい。長く続くシリーズの海外商品化権のように毎年積み上がる収入源があると、反動の年でも利益を守りやすい。
宣伝の立場では、映像の公開をゴールにせず、その後の商品化やイベントの需要まで設計することが大切になる。東映アニメの決算は、その積み重ねが数字に出た例といえる。
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