【東宝】アニメ売上は2年で242億円→554億円、2032年に年30クールへ【企業戦略】
更新日:7 時間前
東宝のアニメ事業は、2012年に5人の部署から始まった。TOHO animation関連の売上高は、2025年2月期に554億円と2年で2倍を超えた。
東洋経済は2025年5月、東宝をアニプレックスと並ぶアニメ業界の二大勢力と報じた。本記事では決算資料の報道も合わせ、後発組の東宝がどう事業を広げてきたかを整理する。
この記事でわかること
5人の部署から始まったTOHO animationの成り立ち
IP・アニメ事業を独立させ、2032年までに年30クールを目指す計画
2026年2月期の収益の内訳と、減益になった理由
5人で始めた後発組
東洋経済の取材に応じた大田圭二常務によると、東宝がアニメ事業室を作ったのは2012年で、当初は5人だった。翌2013年にTOHO animationのレーベルを立ち上げている。
それまでも『ドラえもん』や『名探偵コナン』の劇場版を配給していたが、製作の中心は他社だった。当時の島谷能成社長の指示で、自ら主導する形に踏み出したという。
2年で売上は2倍超
東洋経済によると、TOHO animation関連の売上高は2023年2月期の242億円から、2025年2月期に554億円へ増えた。2年で2倍を超える伸びである。
U-NEXTのアニメ見放題部門の2024年人気ランキングでは、上位10作のうち5作を東宝が幹事の作品が占めた。首位は『薬屋のひとりごと』だった。
記事では、アニメ会社の社員の話として「アニプレックスと東宝の二大横綱だ」という声も紹介されている。『呪術廻戦』『SPY×FAMILY』『怪獣8号』なども同社が手がける。
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IP・アニメ事業を独立
東宝は2026年2月期から、事業区分を映画・演劇・不動産・IP・アニメの4つに再編した。TOHO animationやゴジラのライセンス、GKIDSなど海外子会社をここに集めた。
アニメーションビジネス・ジャーナルによると、東宝は2032年までに年間の製作クール数を14から30に増やす目標を示した。アニメ部門の人員も60人から120人に増やす。
今後3年で約700億円を企画と製作に投じる方針も示された。2026年4月の報道では、2029年2月期に年約20クールに達する見込みとされている。
2026年2月期は配信が柱
オタク総研によると、2026年2月期のIP・アニメ事業の営業収入は752億円で、前期より58億円増えた。一方、営業利益は172億円で、前期から49億円減った。
減益の理由には、ゲームの償却費や条件付対価の再評価などの一時的な費用が挙がっている。この期に放送・配信した作品は12クールで、累計は127クールになった。
収益の内訳(2026年2月期) | 金額 |
|---|---|
配信権収入 | 237億円 |
キャラクターライセンス | 109億円 |
配分金 | 39億円 |
商品物販 | 35億円 |
ゲーム | 18億円 |
パッケージ | 13億円 |
注意:554億円はTOHO animation関連の売上高、752億円は新区分のIP・アニメ事業の営業収入で、範囲が違う。
原作を集める力と制作体制
gamebizは、製作・配給・宣伝を一体で担える体制が、出版社や原作者に選ばれる理由だと分析する。『葬送のフリーレン』などの実績も信用につながっているという。
制作面では、TOHO animation STUDIOの強化とサイエンスSARUの役割拡大、オレンジへの出資を進めている。
発表時点の作品一覧には、『薬屋のひとりごと』第3期や劇場版『ハイキュー!!』の新作が並ぶ。オタク総研によると、2027年2月期は『ハイキュー!!』のスマホゲームも計画している。
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まとめ
東宝の伸びは、作品数を増やす前に製作・配給・宣伝を一体で担える体制を整えた点にある。原作を預ける側にとっては、ヒットの実績と宣伝まで任せられることが判断材料になる。
一方で、クール数を倍にするには人員と制作スタジオの確保が前提になる。自社の作品計画を立てる際も、何クールを誰が作れるかという供給の上限から逆算して考えるとよい。
出典
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